2026年3月23日月曜日

3月 観音縁日のご報告 ~大般若経転読と命月供養~

3月21日、当山におきまして「観音縁日」の法要を厳修いたしました。

通常は月末に執り行っておりますが、今月末は奈良の薬師寺本山にて「修二会(花会式)」が勤修されるため、今月は第3土曜日の開催とさせていただきました。日程変更にも関わらず、ようこ宣のお参りでございました。


大般若経の転読(てんどく)


本堂での法要では、「大般若経(だいはんにゃきょう)」の転読を行いました。
経典を空中でパラパラと勢いよく広げて読み上げる「転読」の作法により、その風にあたることで無病息災や厄除けの功徳があると言われております。皆様の安寧を祈り、力強くご祈祷いたしました。

■ 大般若経のご結縁(ご寄進)について

当山にて転読を行っております「大般若経」は、皆様からの尊いご寄進により、少しずつ経典を揃えさせていただいております。これまでの温かいお力添えに、心より深く感謝申し上げます。

全六百巻のうち、現在残り百巻余りとなっており、引き続き皆様からのご寄進を受け付けております。
経典をご寄進いただくことは、仏様との深いご縁を結び、末永く功徳を積む大変尊い行いでございます。ご結縁(けちえん)をご希望の方は、どうぞお気軽にお寺までお問い合わせくださいませ。


安田住職 法話

法要に引き続き、当山住職の安田より法話を申し上げました。

■ 当日の法話より

【本山の花会式と、懺悔(さんげ)の心】
間もなく薬師寺本山で始まる「花会式(はなえしき)」。約900年前、天皇が皇后の病気平癒を祈願し、高価な生花の代わりに美しい「造花」をお供えしたのが始まりとされる、日本最古の造花の歴史を持つ伝統行事です。
しかし、この華やかな法要の本当の目的は「懺悔(さんげ)」にあります。私たちが知らず知らずのうちに犯している過ちを反省し、身(行い)・口(言葉)・意(心)の三業を整え、観音様を念じることの大切さをお話ししました。


【涅槃(ねはん)と「良い欲」】
3月は旧暦でお釈迦様が入滅された「涅槃」の月でもあります。涅槃とは命の火が消えることだけでなく、「煩悩の火が消えた境地」も意味します。しかし「欲」はすべて悪いわけではありません。悪い欲(貪欲)を消し、生きる原動力となる「良い欲(意欲)」を持って人生を燃やしていくことが仏教の教えです。


【生き様で伝える「恩返し」】
最後に、最近執り行ったあるお葬式でのエピソードをご紹介しました。
重い病でご自身の死期を悟ったおじい様が、亡くなるわずか3日前に、激しい痛みを堪えてまで「どうしても恩人にお礼に行きたい」と挨拶へ出向かれたそうです。その命懸けで恩を返す「生き様」は、お孫さんの人生観を大きく変えました。
私たちも、このおじい様のように、受けた恩は必ず返すという姿勢を持ち、後世の子供や孫たちに良い影響を与えられるような生き方を心がけてまいりましょう。


無量寿殿にて命月の供養法要


本堂での法話の後は「無量寿殿(むりょうじゅでん)」へと移動し、今月がご命日にあたる方々への命月供養法要を執り行いました。
ご先祖様へ感謝の思いを馳せ、ご家族の皆様と共に静かな祈りの時間を過ごさせていただきました。

今回もご参列いただきました皆様、誠にありがとうございました。
少しずつ春の訪れを感じる季節となってまいりました。どうぞ皆様、穏やかな日々をお過ごしくださいませ。

2026年3月11日水曜日

震災から15年、決して忘れない祈り。東日本大震災追悼法要と花あかり

本日3月11日、当山におきまして「東日本大震災 追悼法要」を厳修いたしました。

震災から15年という節目の年。本年も多くの方々にご参集いただき、犠牲となられた方々への鎮魂と、被災地のさらなる復興を祈り、心を一つにする一日となりました。


大川小学校供養地蔵での法要

午後2時より、境内にある「大川小学校供養の地蔵」の御前にて法要が執り行われました。

本日の式衆は、当山住職の安田奘基、そして法相宗大本山薬師寺より生駒基達管主をはじめとする計5名の僧侶でのお勤めとなりました。
また、潮音寺奉賛会会長・衆議院議員の額賀福志郎先生(御名代 雨谷様)、日の出地区代表区長の吉川様をはじめ、約30名の皆様にご参列いただきました。




午後2時46分、復興の鐘楼にて黙とう

地震発生時刻である午後2時46分には、震災後に復興された鐘楼の前に全員で集まり、1分間の黙とうを捧げました。

この時間には、隣接する慈母学園の年長児の子供たちも合流し、小さな手を合わせて共に祈りを捧げてくれました。
その後、参列者と子供たち全員で、鎮魂と平和への願いを込めて復興の鐘をつかせていただきました。境内に響き渡る鐘の音が、皆様の祈りを天へと届けてくれたように感じます。


追悼の言葉

法要の折には、ご来賓および当山よりご挨拶を申し上げました。

■ 潮音寺奉賛会会長・衆議院議員 額賀福志郎 先生(御名代 雨谷様)
ご公務により欠席された額賀先生に代わり、雨谷様より、震災の記憶を風化させず、命の尊さを次世代へ語り継ぐことの重要性と、地域の皆様の復興への歩みに対する敬意と追悼のお言葉を頂戴いたしました。

■ 薬師寺 生駒基達 管主
震災で犠牲となった大川小学校の児童や先生方をお祀りする供養地蔵の建立の経緯(松久保前住職の発願)について触れられました。かつて液状化で甚大な被害を受けたこの日の出地区が美しく復興を遂げたことに言及しつつ、未だ残る原発の課題や各地での自然災害、そして世界での争い事に触れ、被災地の復興と世界の平和を強く祈願されました。

■ 潮音寺 安田奘基 住職
この身を切るような寒さの中、15年前の冷たい水の中で耐えられた方々の無念に思いを馳せ、苦しみを代わって受けてくださる地蔵菩薩の御加護により、少しでも安らかにお眠りいただけるよう祈りを捧げました。「祈り」とは「意(こころ)を乗せる」ことであると説き、犠牲者や今も復興に向けて頑張る方々へ、皆様の心の応援を届けてほしいと語りかけました。
また、本日の参列者の皆様へは、ご自身の茶園が被災しながらも東北支援に尽力された宮城県の農家さんが作ったお茶を、復興への思いを寄せる証としてお配りいたしました。


17時からの「花あかり」とタイ寺院僧侶による法要

本日17時より、本堂に観音様をお出しし、多くのお花と「3.11」の文字をかたどった灯明をお供えする「花あかり」を実施いたしました。

この灯りは、華やかなイベントとして皆様にお見せするためのものではなく、亡くなられた方々へ静かにお花と光を手向けるための供養です。犠牲となられた方々を偲び、この日を決して忘れないという思いのもと、お供えをしております。

また、17時半ごろからは、タイ仏教寺院の僧侶の方々による追悼供養の法要も執り行われました。国境や宗派を越え、犠牲となられた方々へ静かな祈りが捧げられました。







なお、本日の法要および花あかりの様子は、NHK様、茨城新聞様、毎日新聞様、読売新聞様、朝日新聞様の各メディアの皆様に取材していただきました。

静かな夜の境内で、皆様と共に祈りの時間を過ごしたいと思います。
ご参列いただきました皆様、そしてそれぞれの場所で祈りを捧げてくださった皆様、誠にありがとうございました。