2026年7月2日木曜日

【潮音寺日記】6月27日 観音縁日 安田住職による法話

皆さま、こんにちは。
本日6月27日、雨模様の中ではありましたが、潮音寺にて毎月恒例の観音縁日が営まれました。足元の悪い中ご参拝いただきました皆さま、誠にありがとうございました。

観音縁日の様子1 観音縁日の様子2

本日の縁日は本堂にて読経を執り行った後、安田奘基 住職より法話が行われました。その内容をまとめましたので、本日ご来山いただけなかった皆さまもぜひご一読ください。

■ 災害への備えと「大自然」

雨風が激しくなる予報も出ております。近年、地震や様々な災害のニュースを耳にすることが多くなりました。2011年の震災の記憶も少しずつ薄れてきているかもしれませんが、「備えあれば憂いなし」です。水や避難道具の準備など、改めて防災意識を持つことが大切です。

先日、修行のために奈良・大峰山に入山する機会がありました。電波も届かない大自然の中での修行は素晴らしいものですが、最近はクマの被害も多く聞かれます。クマ除けのスプレーや槍など、様々な対策を調べました。その中で、むやみに「退治する」のではなく、「いかに遭遇しないようにするか」「共存していくか」という考えに至りました。これもまた、仏教における不殺生や自然との関わり方の一つと言えるかもしれません。

■ 仏教と「蓮(ハス)」の五つの徳

昨日、千葉市の千葉公園へ大賀ハス(オオガハス)を見学に行ってまいりました。2000年以上前の地層から発掘された種が発芽したという、生命力あふれる古代ハスです。

蓮は仏教に非常に縁の深い植物であり、「蓮の五徳(いつつのとく)」という教えがあります。

  1. 淤泥不染(おでいふぜん)の徳
    泥の中から育ちながらも、その泥に染まることなく美しい花を咲かせること。
  2. 一茎一花(いっけいいっか)の徳
    一つの茎から一つの花だけを咲かせること。「天上天下唯我独尊」のように、誰もが唯一無二の存在であることを示しています。
  3. 一花多果(いっかたか)の徳
    一つの花からたくさんの実を結ぶこと。一つの教え(悟り)が多くの人々の救い(実り)につながることを意味します。
  4. 花果同時(かかどうじ)の徳
    花が咲くと同時に実も結んでいること。仏の心(仏性)と教え(仏法)は常に共にあるという教えです。
  5. 中虚外直(ちゅうこげちょく)の徳
    茎の中は空洞(空)でありながら、外側は真っ直ぐに立っていること。「空」の心を持ちながら、真理のもと真っ直ぐに生きる姿勢を表しています。

泥(困難や煩悩)の中にあっても、蓮のように美しく真っ直ぐに咲く心を持ちたいものです。

■ 与えられたものに感謝する

ノーベル賞を受賞された大村智先生のお話があります。かつて、ご自身の研究発表の直前に他の人に先を越されてしまったことがあったそうです。その時、お母様から「嫉妬している暇があるなら努力しなさい」と諭されたとのこと。悔しさや嫉妬に囚われるのではなく、その状況をバネにしてさらに努力を重ねたのです。

例えば、旅館の朝食で「隣の人の鮭の方が大きい」と腹を立てて食べれば、せっかくの食事も美味しくありません。しかし「自分のために命を頂いている」と感謝して食べれば、しっかりと自分の身になります。

目の前に現れたもの、与えられた状況に対して、不満を持つのではなく、常に喜びと感謝の気持ちを持つことが大切です。今日の雨も「草木が喜んでいる」と捉えることができます。

これからますます暑い季節を迎えますが、今を大切に、感謝の気持ちを忘れずに日々を精進してまいりましょう。

法話の後は無量寿殿へ移動し、皆さまでご先祖様をご供養するための読経とお焼香を執り行いました。

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