2026年5月26日火曜日

潮音寺日記】5月23日 観音縁日を執り行いました 。住職法話と6月6日開山会への想い

皆さま、こんにちは。
本日5月23日、新緑の清々しい空気の中、潮音寺にて「観音縁日」を執り行いました。今月もたくさんの皆さまにお参りいただき、心より感謝申し上げます。

法要では、皆さまと共に厳かに読経を捧げ、大般若経転読(だいはんにゃきょうてんどく)により、皆さまの家内安全や諸願成就を祈願いたしました。本堂には大般若経の豪快な転読の音が響き渡り、深く心洗われる空間となりました。

本堂での大般若経転読

本堂での厳かな大般若経転読の様子。

■ 安田住職 ご法話「心の中の龍を育て、食に感謝する」

法要の後は、安田住職より皆さまへご法話をお届けいたしました。

来月は父の日が控えておりますが、住職からは「ご自身の誕生日」に親への感謝を伝えることの大切さについてお話がありました。自分が生まれた日は、お母さんが苦労して産んでくれた日。「ありがとう」の思いを伝える日として大切にしたいものです。

また、ブータンのワンチュク国王が子どもたちに語られた『心の中の「龍(人格)」は、「経験」を食べて大きく成長する。わがままや感情をコントロールして龍を鍛えなさい』という素敵なお話が紹介されました。

私たちの毎日いただくお食事も、まさにその心を養う修行です。お食事の前に唱える「五観の偈(ごかんのげ)」の5つの心構え、そこで東西南北、天地(神佛)へ感謝を捧げる「六方礼拝(ろっぽうらいはい)」の意味を紐解き、胃袋だけでなく感謝の心を満たすお食事の大切さをお話しいたしました。

さらに、先日巡礼いたしました小豆島(しょうどしま)のお遍路の笠に書かれた『迷故三界城・悟故十方空(迷うがゆえに三界は城なり、悟るがゆえに十方は空なり)』という言葉を通じ、日々のしがらみを一度手放して、方角にとらわれない自由自在な「空(くう)」の心を持つことの豊かさをお伝えいたしました。小豆島巡礼のお土産もご用意し、皆さまに喜んでいただきました。

■ 無量壽殿での先祖供養

法話の後は、皆さまと共に位牌堂(無量壽殿)へと移動いたしました。静かに手を合わせながら、私たちを今に繋いでくださった大切なご先祖様への追善供養を、懇ろに執り行いました。日頃の感謝を仏前で静かにお伝えする、大切なひとときとなりました。

無量壽殿での供養

無量壽殿にて、大切なご先祖様へ感謝を捧げる追善供養。

📜 6月6日(土)「開山会」並びに「晋山式」のお知らせと想い

【日時】6月6日(土)13時頃より

来月6月6日には、潮音寺において一年で最も重要なお式である「開山会(かいざんえ)」、ならびに私の「晋山式(しんざんしき)」を執り行わせていただきます。ぜひ一人でも多くの皆さまに足をお運びいただきたいと願っております。

「晋山式」は新しい住職の就任をお披露目するおめでたい場でもありますが、このお式の本当の主役は、潮音寺の創立記念日である「開山会」です。これまでこのお寺を支え、繋いでくださったすべての方々へ感謝を捧げる大切な日です。

ですから、今回の式は単なる住職交代の披露宴ではありません。この開山を迎える潮音寺という大切な場所を、これから先も皆さまと共に、未来永劫しっかりと守り続けていく。その固い決意を仏前で誓い、お寺の護持を確固たるものにするための「お寺を守るべく、そのための式」でございます。

当日は、薬師寺より大谷徹奘副住職をお招きしてのご法話、
世界的ヴァイオリニスト大谷康子さんによる記念演奏、華やかな稚児行列もございます。

潮音寺の未来を皆さまと共に守る記念の法要へ、皆さまぜひお誘い合わせの上、お越しくださいますよう心よりお願い申し上げます。

2026年5月13日水曜日

【住職法話】父母の恩と命の繋がり、そして「つぼみ」に込める思い ~5月地蔵縁日より~

皆さま、こんにちは。
5月11日、爽やかな五月晴れの中、今月も無事に「地蔵縁日」を執り行うことができました。

世界を見渡せば様々な不安なニュースも耳に入りますが、こうして皆さまと毎月元気にお顔を合わせられること、そして平穏な日常を送れていることに、何よりも深い感謝の念を抱いております。

本堂でのお参り

本堂にて、皆さまと共に静かに手を合わせるひととき。

さて、昨日は「母の日」でした。
5月という時期柄、本山ではよく『父母恩重経(ぶもおんじゅうきょう)』というお経が読まれます。ここには、両親が子どもを産み育てる中で注いでくれた「十種の恩徳(10種類の深い恩)」が説かれています。

すでに親御さんを見送られた方も多くいらっしゃると思います。薬師寺の高田好胤(たかだ こういん)元管主は「真実の対話は、亡くなってから始まる」とよくおっしゃっていました。
親孝行とは、生きている間に物を贈ることだけではありません。私たちが日々を一生懸命に生きる姿を見せることが一番の親孝行であり、亡き後であっても、お仏壇や写真に向かって語りかけ、善い行い(追善供養)を届けてあげることが、親への最高の報恩となります。

最近では「親ガチャ(親を選べないこと)」という言葉をよく耳にします。「もっと裕福な家に生まれたかった」「親から酷い扱いを受けた」と、親を恨んでしまう辛い境遇の方もいらっしゃるでしょう。無理に感謝する必要はありません。
しかし、一つの事実として、私たちの命をたった25代遡るだけで、そこには「約6000万人」ものご先祖様が存在します。その中のたった一人が欠けても、今の私たちはここに存在しません。
もし親に対する恨みがあったとしても、自分がその「悪い連鎖」を断ち切り、良いご縁を未来へ繋いでいく。そんな前向きな生き方ができたなら、心が少し豊かになるのではないでしょうか。

■ 般若心経と「観自在」な生き方

私たちがよくお唱えする『般若心経』には「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」という仏様が登場します。「自在に見る」、つまり「苦しみや悲しみを勝手に背負い込まず、何事にもとらわれない自由自在な心を持つ」ということです。
『父母恩重経』にも「父母の恩は、天の極まりなきが如し(突き抜ける青空のように深い)」とあります。私たちもこの青空のように、とらわれのない晴れやかな心で生きていきたいものです。

■ 「もうすぐ咲く花」を楽しみに

薬師寺には「双頭蓮(そうとうれん)」という、一つの茎から二つの花が咲く珍しい蓮があります。そして昨年は総本山で「双頭の牡丹」が咲き、なんと今年は東京別院でも「双頭の牡丹」が開花し、ニュースになりました。

お花といえば、あるおばあちゃんと孫のこんな素敵な会話があります。
子どもが「お母さん、つぼみってなに?」と聞いたとき、お母さんは「まだ咲いてないお花よ」と答えようとしました。しかしその横で、おばあちゃんがこう言ったそうです。

「つぼみっていうのはね、もうすぐ咲くお花なんだよ。楽しみだね!」

「まだ咲いていない」と否定的に見るか、「もうすぐ咲くんだ!」と希望を持って見るか。同じ物事でも、捉え方一つで世界は大きく変わります。ぜひ皆さまも、こんな風に心を豊かに育む視点をお持ち帰りいただければ幸いです。

お地蔵様へのお参り

法話の後は、お外のお地蔵様へもお参りいたしました。

📜 晋山式(しんざんしき)のお知らせ

6月6日(土)13時頃より

潮音寺の開山記念式典と合わせ、私の「晋山式」を執り行わせていただきます。
当日は稚児行列(おちごさん)や、薬師寺より大谷徹奘(おおたに てつじょう)副住職をお招きしてのご法話、世界的ヴァイオリニストの大谷康子(おおたに やすこ)さんによる記念演奏も予定しております。
テントもご用意し、皆さまに楽しんでいただける一日にいたしますので、ぜひお誘い合わせの上、ご参拝ください!